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アクセル踏み込むと「シュイーン」という音の不具合。
エアコンのフラップを動かす負圧アクチュエータの修理をしました。
普通はユニット全部取り外しなのですが、車載状態、車内からのチャレンジです。
エアコンをかけている状態で、アクセルを踏むこむと「シュイーン」と言う音がします。
特に大きな問題はないのですが、毎回音がするのも気になる。
以前はアクチュエータのプラスチックピンが外れていたので、これが原因と思い修理。
まぁ、タイラップで留めただけです。(汗)
しばらく放置していたのですが、またしてもシュイーン音が出るようになってしまいました。
マイティバッグ(負圧チェックの工具)を使って、調べてみると、負圧をかけると、途中でシュイーンと音がしながらアクチュエータが戻ります。
どうやらアクチュエータの故障のように見えます。途中でエアが抜けているような感じがします。
イメージ的には途中までは負圧でアクチュエータが引っ張られるのですが、ある程度引っ張ると、エアが抜け(シュイーンと言う音)アクチュエータが元に戻ってしまうという現象です。
ですが、これだけの部品は出ないのですね。
フラップ全体アッセンブリー交換となってしまいます。
こうなると高い!(というか売ってないです。 汗)
運よく、アクチュエータだけ中古で売っていただきました。
今回これを入れ替えることを考えます。
本来、この作業をするにはエバポ外しとほとんど同じ作業となります。
要は、ガソリンタンクを降ろし、エアコンユニットを取り外し、そして裏側にあるフラップを外し・・・
かなりの大作業。これはさすがにやりたくないです。
と言うわけで今回車載状態で修理できないか、と言う確認も含めて車内から作業することにします。
まずはエアコンの操作ユニットを外します。
これには、お馴染み?のワイヤ―ハンガーを使って抜きます。
外し方はこちらをどうぞ
中を覗き込みます。
丸で囲ったのが確認ポイントです。
紫丸は、アクチュエータとレバーを固定している部分。このピンは外れやすいです。
現在、タイラップで固定しています。これをまず切ります。
(と、簡単に言っていますが、なにしろ狭いです。内視鏡手術しているような感じがします 笑。長いニッパーが欲しい!)
どうやらこの部品は緑丸で示したリベットだけで留まっているようです。
一応念のためファイバースコープで確認しました。
(上部に)リベットの頭が見えます。これを見る限り、裏側には何もないですね。
であれば、頭を削り落としてしまえば抜けるはず。
この方がリベットの裏側が良くわかると思います。
中側はへこんでいるのですね。両サイドにリブがあります。
要は、補強でしょうね。
あと、上の全体写真での赤丸部分が気になります。レバーのエルボー部分。
ここはどうなっているのか?
これを見る限り、ハマっているだけに見えます。
なのでこじれば良いかと。
こちらも裏側には何もありません。
要はエルボー部分を外し、リベットの頭を削れば外れるという事。
ファイバースコープはすごく役に立ちます。
今使っているのは、先端直径5mmほどで、横も撮影できるもの。
エンジンシリンダー内のバルブなども見ることできるので重宝します。
こういうばらす前のチェックには良いです。
こいつですね。結構なお値段しますが、役に立ちます。
他にも2台ほど持っているのですが、これが一番ですね。
WiFiでスマホに飛ばすので、取り回しが楽。
さらに手元側での操作で写真も撮れます。(動画もできたような・・・?)
何が一番良いかと言うと、横カメラに切り換えられることです。
プラグ穴から突っ込んで、バルブを見るときなどはすごく重宝します。
不明なところを整備するとき、あらかじめ目視できるので、安全です。
タイラップを切って、エルボー部分をこじって外したところです。
この写真の赤丸分。ここにツメがあります。(下側にもあります。)これで、アクチュエータがぶれないように支えています。
右側がフラップを押すレバー。
これもピンで留まっているだけ。簡単に外れます。(ですが、はめるには、ファイバースコープが無いととうてい無理かも。手を突っ込むと手元が見えないので 汗)
ドレメルツールでリベットの頭を削ります。
普通だと、ドリルで削ればすぐなのですが奥まったところにあるので、ドリル刃が届きません。
なので、ドレメルツール。
これもかなり角度的に難しいと言えば難しい。。。
手さぐり的な作業です。
頭がなくなればリベットは取れます。
ですが、外れたリベットがフラップ奥に行かないように要注意です。何かバックアップをかました方が安全です。
あと、外すとき、先ほどのツメを折らないように。
右にずらして抜きます。
無事に抜けました!
このスピードナット(3本)を抜くのですが・・・精密マイナスドライバ―とかでこじるのですかね。
ちょっと面倒そうなので、その前にこれをばらしてみます。
この4つのツメを押し込めば外れるはず。
バネが飛び出し、外れました!
これが中身。構造は簡単です。
きっとこのゴムが破れていたのでしょうね・・・
と、チェックしてみたのですが、まったく破れていません!
試しにもう一度組み直してマイティバックで負圧をかけてみます。
問題なく負圧状態を維持ししています。
以前、チェックした時には、アクチュエータがシュイーン音とともに戻ったのですが????
謎です。
もしかしたら、ケースがしっかり閉まっていなかったのでしょうか?
スピードナットを外すのは面倒なので、今回このままにします。
買った中古アクチュエータは何かのために取っておくことにしました。
一応漏れが無いように、念のためシリコングリスなどでシーリングしておきました。
アクチュエータの抜けてしまったピンの代わりにこんなのを使ってみました。
5mmのプラスチックピンです。ヒダがあり、抜けにくくなっています。
さて、取り付けですが、どうするか?
タッピングで留めようと思ったのですが、
測ってみると、抜けたリベットは5.5mmほどありました。
ですが、金具の方は4.5mm。こちらの方が小さい。
奥で留めるわけなので、6mm以上のタッピングビスが必要です。
これだとタッピングで留める場合、金具の方の穴を広げる必要がありそうです。
後々外したときにリベット留めするつもりなので、あまりいじくりまわしたくはないです。
クリップ型のキャッチを取り付けようと思いましたが、上の写真で見てわかるように
裏側はへこんでいます。
いろいろ考えた挙句、とりあえず、グルーガンとかで奥の穴を狭くして、4mmほどのタッピングビスで留めることにしました。
ちょっとゆるいかもしれませんが、そもそもこの金具は「ツメ」で保持されているので、なんとかなると思っています。
(ダメだったら、6mmタッピングビスで固定する予定。)
と、簡単に書いていますが、タッピングビスを留めるのも一苦労です。
奥待っているためです。若干角度があるので長いプラスドライバだと手前が引っかかる
なので、ラチェットタイプのドライバにウチにあるいろんなアタッチメントを取り付けて、なんとか回しました。
ネジではなく、ボルトの方が良いかも?
それか、裏側からボルトを通して前でナット留めしても良いかも・・・です。
裏がへこんでいるのであれば、うまい具合にボルトの頭が引っかかるかも。
いろいろやり方は有りそうです。
まぁ、とりあえず元に戻しました。
エンジンかけて動作確認。
とりあえず、問題なく動いているように見えます。
エンジンかけて空ぶかしした段階では「シュイーン」音はしていません。
完全に解決したかどうかはもっと走らせてみないと不明ですね・・・。
今回は分解整備をしたわけです。
なので、仮にゴムが破けていたとしても、同じように取り外し、ゴム部分の補修をすれば直せると思います。
【今回使った工具など】
・ドライバー類多数
・ニッパー
・ロングラジオペンチ
・ピンセット
・ファイバースコープ⇐これが無いとまず無理!
・グルーガン
【今回使った部品など】
・プラスチックピン
・タッピングビス
・負圧アクチュエータ(今回は既存のをそのまま利用したので、出番なし)
など
先ほど、試運転をしてきました。
シュイーン音は完全に消えています。
とりあえず無事に直ったという事です。
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